身代わり少女は、闇夜の帝王の愛に溺れる。
「桜坂日和さん。ちょっと時間ある?」



突然、背後からフルネームで名前を呼ばれた。



勢いよく後ろを振り向くと、そこには私と同じ制服を着た、顔も名前も知らない2人組の女子生徒が立っていた。



ニコニコと笑顔を浮かべているけど、私にはそれがわざとらしいというか、どことなく意地悪そうに見えるというか。



絶対に良からぬことを企んでるようにしか思えない。



「ごめん。急ぎの用事があるから……」



「どこに? 家に帰ろうとしてたんじゃないの?」



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