りんご
浩基は…
少し、かったるそうに、ゆっくり歩いてきた。
「お待たせっ!!行こーぜ」
久保がうれしそうに言った。
あたしたちはどこで花火をやろうか決めてなくて、花火ができそうなスペースを探した。
「あっ、ここでいいぢゃん!」
あたしは、学校の近くの神社を指さした。
「端っこの方なら、いいよな!?」
久保は言った。
もう、ノリノリだったね。
そして私たちは花火を始めた。
久保は梓と2人になりたかったのか、花火を持って少し離れたところへ行った。
あたしと浩基は2人きりになった。
「えーっと…あっ、あの2人うまくいくといいね?」
あたしは緊張しちゃって、うまく会話ができなくなってしまった。
「まあなあ。まっ、大丈夫だろ。それより、花火やっちゃおう?
ほら、はいよ。」
そんなあたしを察してか、花火をあたしに手渡し、そして火をつけてくれた。
バーッと勢いのいい音と一緒に、色とりどりな火花が散った。
「わあー!!きれい、、、。」
その日の花火はやけにきれいに見えたんだ。