大切な言葉
3
いきなりですが、ここからは俺が小学5年生のときの話を少し話したいと思います。
千翔5年生、葵6年生
俺はいつものように幼馴染の葵の家に遊びに行く。
玄関の前に立ってチャイムを押すと葵がすぐに出てきた。
「千翔今日は何してあそぶ?」
キラキラ輝く顔で俺に話しかけてくる葵。小学生の俺でもドキっとしてしまうぐらい可愛いと思ってしまう。
そんなそぶりは見せずに俺はもう何年も来ている葵の部屋にズカズカと入っていた。
「今日は新しいゲームを持ってきたから一緒にやろう。」
「わかった、その前にお菓子を持ってくるね。」
葵はキッチンに下りていった。
何度も来ている部屋だけどいつもきれいにしてあるなぁ。
その後、お菓子を持ってきた葵とゲームを楽しんだ。
葵はゲームがあまり上手ではない。本当は葵には負けないけどずっと勝ってばかりだと葵が可哀想だから2回だけわざと負けてやった。
こんな毎日が俺は続くのだと思っていた。
葵が中学生になると学校がちがうからか?葵が遊んでくれなくなった。塾に行って家にいなかったりクラブで帰りが遅かったり。すれ違いが何度も続くうちになんとなく葵と遊ぶよりもクラスの友達と遊ぶ時間が増えて葵とはあわなくなった。
ある日友達の家の帰りに葵の家の近くを通ると葵が見たことのない男と歩いていた。
俺は話しかけたい気持ちを抑えた。小学生の俺にもわかるこんな時は話しかけられたくはないはずだ。この姿を見たときからおれの中の葵がなんだか本当に違う場所にいった感じがしたちきだった。