彼は推しと瓜二つ
◯スーパーのバックヤード

午後から、新しい学生アルバイトが初出勤する

尾形「尾形 百合絵《おがた ゆりえ》です。今日からよろしくお願いします!」

音「尾形さん、こちらこそよろしくお願いします。」

音は新人バイトの尾形に流れを説明した後、店内を案内する

音の説明1つ1つに目を輝かせながら反応し、メモもしっかり取っていた

音(可愛らしくて今時な感じの子だけど、真面目で礼儀正しい…愛嬌もあって、これは店長も気にいるはずだわ。)

店長からは、新人バイトの教育をしっかり頼むと、会う度に言われていた。
音(店長からの圧で気が重くなっていたけど、この子なら大丈夫そう……)


ある程度の案内が終わった時、突然、尾形が迫って来た。
尾形「あの……杉山さんってナチュラルメイクなのに、肌もキレイだし、美人ですよね。
私、この店に初めて来て杉山さんを見た時から、憧れてたんです!
バイト受かって本当に良かった…って思ってて。」

音「あ……ありがとう………恥ずかしいけど、そう言って貰えて嬉しいです…」

尾形「美肌の秘訣って何なんですか?!使ってる化粧品とか教えて欲しいです!」

音「うーんと…化粧品はドラッグストアとかでもよく売ってるプチプラコスメ使ってるけど……
特に決まってはないかな。
後は早寝早起きとか、野菜や発酵食品が好きでよく食べてるけど…」

尾形「あ〜…やっぱ早寝早起きって大事ですよねー。
私は友達と夜遅くまで遊んじゃうしなぁ…。
杉山さんは遊ぶってより、長年付き合ってる彼氏と規則正しい生活を送ってそうな感じですもん。」

音(この子……結構ズケズケ来るな…)
音「規則正しいのは合ってるかな…。
けど私ドルオタを言い訳にして、長いこと寂しい独り身なんだよね〜…」

尾形「えーー?杉山さんもドルオタなんですね!
私もなんですけど、誰推しですか?!」

音「えっと…goalの……」

尾形は音が話し終える前に食い込んできた
尾形の勢いに圧倒される音

尾形「えーー!私もです!!杉山さん、めっちゃ親近感湧きますー!
私は始めMITSUKI推しだったんですけど、今は担降りしてKEIちゃん推しなんですー!」

音「…た、担降り………。え、どうして……?
MITSUKI君って熱愛とかゴシップネタ全くないのに…」


尾形「んー、何か始めはMITSUKIのゆるふわな感じが可愛くて良いなーって思ってたんですけど、現場とかだと、何か雄み強くないですか?
MITSUKI担はそのギャップが良いって言うんですけど、私は何か違和感っていうか、不安定な感じしちゃって…。
それで、やっぱりセンターで安定性のあるKEIちゃんが良いなーって思ったんです。」

音「な、なるほど……」

音(尾形さんの話し、何だか説得力がある…)







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