彼は推しと瓜二つ
8.取引

◯スーパーの売り場


昼休憩に入る前、電話が鳴る


音「お電話ありがとうございます。フェリックス曙店、杉山です。」


?「お仕事中すみません。私、GKLプロダクションでgoalのチーフマネージャーを担当している高橋という者なんですが、杉山音さんでお間違いないでしょうか?」

音「はい……そうです…」
 (goalのマネージャー⁈昨日の事、もう事務所にも伝わったんだ……)

チーフマネージャーの高橋という男は、機械的に淡々と話をする

高橋「昨夜に弊社所属タレントのMITSUKIから色々と話を聞いたと思うのですが、我々も杉山様ご本人と直接お話をする機会を持ちたいと思っております。
お忙しい中で申し訳ありませんが、ご都合のほどいかがでしょうか?
可能であれば本日にでもお願いしたいのですが…」


音(話しをしないという選択肢は無いのね…)
「今日だと5時には上がれるので、その後でも良ければ大丈夫ですが…」


高橋「ありがとうございます。では、本日5時過ぎにうちの者がお店にお迎えに参りますので、出入り口付近でお待ちいただきたいと思います。」


音「えっ…あ、はい…分かりました。よろしくお願いします。」

高橋「こちらこそよろしくお願いします。では、お仕事中に失礼いたしました。」


音(…なんか、すごい淡々と話を押し進められたけど…向こうの感情も読み取れなかったし、大丈夫かな……。
でも今回の件は私の責任だし、ちゃんと話はしておかないとだよね……。

あの人はもう、このお店には来れないだろうな……。)


◯夕方4時
尾形と門倉が出勤をする


尾形「おはよーございまーす……」
門倉「おはようございます。」

尾形は音の様子を気にして見ている。


尾形「……杉山さん、大丈夫だったんですかね?」

門倉「さぁ。俺にきくなよ。」

< 42 / 57 >

この作品をシェア

pagetop