彼は推しと瓜二つ
音「……goalのライブチケット………札幌きたえーる??」

雅之「は?札幌?!」

白川「すみません、東京の方は色々と事情があって席の確保は出来ず…。ですが、こちらはアリーナ席で、MITSUKIも近くで観れる席になっています!」

雅之「でも何で遠い札幌に?東京がダメでも横浜があるのに。」

白川「もちろん、杉山さんのお仕事の都合に合わせて、こちらで飛行機の手配もいたします。
実は勝手ながら、ナインティーン編集部の知り合いに電話をしてみたら杉山さんの事を覚えてまして……。
地元が小樽という話だったので、それなら帰省がてら札幌会場にも行けるのではと。」


光之「えっ…小樽…?」

それまで俯いていた光之が顔を上げて、初めて音の方をじっと見た。


音「……せっかくですが、このチケットは頂けません。
仕事もあるので、週末に休みを取るわけにもいきませんし。
この様な物を頂かなくても、私は誰にも言うつもりは決してありません。」


高橋「あ、いえ、口止め料というわけではないんですよ。
それに帰省といえば、お仕事も休みを取りやすいのでは?」


音「……もう帰る必要は無いので…」


白川「……分かりました。中途半端な下調べで申し訳ありません。もし必要となれば、いつでもご連絡ください。」

音「ありがとうございます……。」

高橋「あ、代わりと言っては何ですが、横浜会場の来場者限定に販売するフォトカードをお渡しします。
みなとみらいで撮影した物なんですが、MITSUKIのビジュが良すぎたってスタッフの中で大評判だったんです!」


音「はぁ…」
(これ、何か貰わないと引き下がらない感じだな……
フォトカードならそこまで高価でも無いし、ビジュ良すぎるって聞いたら欲しいに決まってる……)

音「…ありがとうございます!では、お言葉に甘えて……」
(今すぐ開封して中身みたいけど、本人の目の前だしやめておこう……)


雅之「あれ俺じゃないけど、なんか恥ずい……」

光之「………。」
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