Anonymous〜この世界に生まれた君へ〜
野次馬の中から一人の男性が姿を見せる。大きめのサイズの服にリュックサックを背負った真夜だった。彼の姿を見た瞬間に蓮の顔は真っ青になり、目を逸らす。それを真夜は気にも止めず、紫月に近付いた。
「太宰さん何でここにいるの?」
「夏目に呼び出されてな。そんなことよりお前は?」
「この近くに行きたいお店があったんだよね。でも人だかりができてるから何かあったのかなって思って様子を見てた」
「つまり野次馬の一人というわけか」
紫月は呆れながら言う。真夜は人の輪の中に入っていくタイプではなく、逆に一人を好むタイプの人間である。そんな彼が野次馬をしていたことに紫月は少し驚いてもいた。
「んで、こちらは太宰さんの彼女?初めまして。島崎真夜です」
「初めまして、泉翡翠です。太宰さんの彼女では決してありませんよ」
真夜の挨拶にアノニマスは笑みを浮かべながら答える。しかし、その顔が引き攣っていることに紫月はすぐに気付いた。
「太宰さん何でここにいるの?」
「夏目に呼び出されてな。そんなことよりお前は?」
「この近くに行きたいお店があったんだよね。でも人だかりができてるから何かあったのかなって思って様子を見てた」
「つまり野次馬の一人というわけか」
紫月は呆れながら言う。真夜は人の輪の中に入っていくタイプではなく、逆に一人を好むタイプの人間である。そんな彼が野次馬をしていたことに紫月は少し驚いてもいた。
「んで、こちらは太宰さんの彼女?初めまして。島崎真夜です」
「初めまして、泉翡翠です。太宰さんの彼女では決してありませんよ」
真夜の挨拶にアノニマスは笑みを浮かべながら答える。しかし、その顔が引き攣っていることに紫月はすぐに気付いた。