Anonymous〜この世界に生まれた君へ〜
(瑠璃ちゃん……)
風歌の頭の中に思い出が走っていく。そんな中、彼女のぼやける視界にこちらに走ってくる人影が見えた。
真夜の言った公園は、ビルから三十分ほど離れた場所にあった。大都会の東京だが、この公園には木が植えられ、芝生が作られ、自然を感じられるスポットとして家族連れに人気だ。
そんな公園に風歌は倒れていた。その腹部と足からは血が流れている。顔は出血のせいか真っ青を通り越して白くなっていた。
「風歌!!」
アノニマスが大きな声で名前を叫び、彼女に駆け寄る。紫月は蓮に「救急車を!」と指示した。蓮は「はい!」と言いながらスマホを取り出す。
「風歌!!風歌!!」
アノニマスは泣き出してしまいそうな顔で風歌の体を抱き締める。彼女の着ている真っ白なワンピースが赤く汚れていく。しかし、アノニマスは気にする様子などなかった。ただ風歌の名前を呼び続ける。
風歌が乾いた唇で何かを言う。アノニマスは「風歌、何?どうしたんだ?」と訊ねた。その刹那、風歌の声がはっきりと響く。
「瑠璃ちゃん」
風歌の頭の中に思い出が走っていく。そんな中、彼女のぼやける視界にこちらに走ってくる人影が見えた。
真夜の言った公園は、ビルから三十分ほど離れた場所にあった。大都会の東京だが、この公園には木が植えられ、芝生が作られ、自然を感じられるスポットとして家族連れに人気だ。
そんな公園に風歌は倒れていた。その腹部と足からは血が流れている。顔は出血のせいか真っ青を通り越して白くなっていた。
「風歌!!」
アノニマスが大きな声で名前を叫び、彼女に駆け寄る。紫月は蓮に「救急車を!」と指示した。蓮は「はい!」と言いながらスマホを取り出す。
「風歌!!風歌!!」
アノニマスは泣き出してしまいそうな顔で風歌の体を抱き締める。彼女の着ている真っ白なワンピースが赤く汚れていく。しかし、アノニマスは気にする様子などなかった。ただ風歌の名前を呼び続ける。
風歌が乾いた唇で何かを言う。アノニマスは「風歌、何?どうしたんだ?」と訊ねた。その刹那、風歌の声がはっきりと響く。
「瑠璃ちゃん」