Anonymous〜この世界に生まれた君へ〜
夏の夜
八月最後の日曜日。この日は多くの人が待ちに待った夏祭りの日だ。会場には出店が並び、浴衣姿の人が楽しそうに話しながら歩いている。
そんな賑やかな場所で、紫月は一人緊張した面持ちで会場前にいた。学生の頃に着たきりの浴衣に身を包み、何度も深呼吸を繰り返す。
(アノニマス、来てくれるだろうか……)
あまりにも悲しい結末となったが、一応事件は解決した。紫月の胸には大きな穴が空いてしまっている。そんな紫月にアノニマスが連絡をしてきたのだ。
『お前、約束を忘れたか?祭りに行くんだろ』
アノニマスとの約束を思い出し、気分転換のためにも夏祭りに行くことにしたのだ。待ち合わせ場所は会場の門の前である。
待つこと数分。カランコロンという下駄の音が響いた。それと同時に「すまない。待たせたな」と声がかけられる。
「アノニマス……」
顔を上げた紫月は言葉を失う。アノニマスが普段のようなロリータ服ではなかったためだ。
そんな賑やかな場所で、紫月は一人緊張した面持ちで会場前にいた。学生の頃に着たきりの浴衣に身を包み、何度も深呼吸を繰り返す。
(アノニマス、来てくれるだろうか……)
あまりにも悲しい結末となったが、一応事件は解決した。紫月の胸には大きな穴が空いてしまっている。そんな紫月にアノニマスが連絡をしてきたのだ。
『お前、約束を忘れたか?祭りに行くんだろ』
アノニマスとの約束を思い出し、気分転換のためにも夏祭りに行くことにしたのだ。待ち合わせ場所は会場の門の前である。
待つこと数分。カランコロンという下駄の音が響いた。それと同時に「すまない。待たせたな」と声がかけられる。
「アノニマス……」
顔を上げた紫月は言葉を失う。アノニマスが普段のようなロリータ服ではなかったためだ。