Anonymous〜この世界に生まれた君へ〜
SNSを一通り見た後、真夜が三人の詳しい経歴等を調べ始める。これも数分足らずで調べ上げていた。真夜のハッキングの腕に紫月は感心を覚えつつ、パソコンを見る。

「条野さんと樋口さんは同じ大阪府大阪市出身で出身高校も同じみたいだね。しかも条野さんは母校によく顔を出していたみたいだ」

「どうして母校に顔を出してたんだ?」

「条野さんはこの高校の演劇部に所属してたみたい。この学校の演劇部って結構有名で、全国大会でも優勝何度もしてるんだって」

「演劇部所属だったのか……」

紫月は慎吾の遺体を思い出す。彼は学生時代はどんな役を演じていたのだろうか。すると真夜は言った。

「条野さん、デビュー作の「死神の告白」が映画化された時に主役を演じてるよ。「主人公に合う人物は俺しかいない」「俺が演じれないなら映画化はさせない」ってテレビ局側に言ったらしい」

「そうなのか」

映画やドラマを紫月はあまり観ない。そのため全く知らなかった。殺害された被害者が演じたのならば観なくてはと思いつつ、容疑者である翡翠の情報を聞く。
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