Anonymous〜この世界に生まれた君へ〜
紫月は礼を言い、蓮と共に披露宴会場へと向かう。幸せな空気に包まれているはずの結婚式場は凍り付き、すれ違う結婚式場の従業員の顔も暗い。
「失礼します。警視庁の太宰と夏目です」
何百人もの招待客を収容できるであろう披露宴会場では、ウェディングドレス姿の花嫁が顔を覆って泣いており、花嫁の友達が彼女を慰めている。
(花嫁から話を聞きたいところだが、今は難しそうだな)
紫月がそう思った時だった。驚いた様子で声をかけられる。
「太宰?」
振り返った彼も驚く。そこにいたのは泉翡翠ーーーアノニマスだった。パーティー用の青いドレスを着て、黒いショートヘアをセットしている。おそらくこの黒髪が彼女の地毛なのだろう。
「アノニマス!?」
紫月の口から声が出る。それは、全く予想もしていなかった再会だった。
披露宴会場を出て、アノニマスと紫月は歩く。蓮は事情聴取をするために披露宴会場に残った。
「お前とまさかこんなところで会うとは思わなかった。もう会うことはないと思っていたからな」
「それは俺の台詞だ。何故こんなところにいるんだ?」
「失礼します。警視庁の太宰と夏目です」
何百人もの招待客を収容できるであろう披露宴会場では、ウェディングドレス姿の花嫁が顔を覆って泣いており、花嫁の友達が彼女を慰めている。
(花嫁から話を聞きたいところだが、今は難しそうだな)
紫月がそう思った時だった。驚いた様子で声をかけられる。
「太宰?」
振り返った彼も驚く。そこにいたのは泉翡翠ーーーアノニマスだった。パーティー用の青いドレスを着て、黒いショートヘアをセットしている。おそらくこの黒髪が彼女の地毛なのだろう。
「アノニマス!?」
紫月の口から声が出る。それは、全く予想もしていなかった再会だった。
披露宴会場を出て、アノニマスと紫月は歩く。蓮は事情聴取をするために披露宴会場に残った。
「お前とまさかこんなところで会うとは思わなかった。もう会うことはないと思っていたからな」
「それは俺の台詞だ。何故こんなところにいるんだ?」