幼なじみって、言わないで!
練習ってことで
*****


「しょう」


翌朝。
珍しく、私の部屋まで起こしに来なかったしょうを、台所で発見。


なんとか起きたけど、なんで起こしに来てくれなかったんだろう。


「っ……はよ」


しょうは、ぼそりとそう言って、私に背を向けた。
私は欠伸をしながら、思い当たる。
あぁ、昨日のキスで、照れてんのか。


かわいいやつめ。


しょうはいそいそと朝食を作っていて、私はその背後にしのびよる。


「卵焼きある?」


私の大好物、しょうの卵焼き。
聞かなくても、あるってことは見りゃわかるんだけどね。


「……」


しょうは黙って卵焼きを指さした。
かわいー。


ちら、と見上げると顔は真っ赤で、朝からあんまりいじめても良くないなと思い、私は顔を洗いに行った。


ばしゃばしゃ。
……うん、いい目覚めだ。

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