幼なじみって、言わないで！

「ほ、ほんとに、なおしたい。はくがつかない」
「そう？なら、訓練ってことにしようよ」
「え？」


「キスだよ。ほら、荒治療って言うのかな。要は刺激に慣れてないから、ドキドキして赤くなるんだよね？じゃあ、刺激に慣れればいいわけで」


「……そ、そうかも」
「うん。じゃ、そういうことで」


私は背伸びをして、しょうのほっぺに唇を当てた。
ちゅ、という軽いリップ音と同時に、しょうは勢いよく後ずさる。


「だっ、だから、する前にっ」
「それじゃ刺激になんないでしょー」
「なるよっ」


「え、そう？」
「うん！」
「そっかー」


まぁ、それでも言わないけどねん。
だってかわいいし、楽しいし…。


私の唇が当たったところに、優しく指を添えて、少しとろけた目をしているしょうに、何故か私の胸は締め付けられる。


その感覚を特に気にせず、あくびをした。