幼なじみって、言わないで!
あ、そういえばしょうに連絡してなかった。
スマホを取り出す。
で、止まった。
「……?おい、祐奈ー」
「…え?」
「何固まってんの。どうした?」
「あ、いや……」
遅くなる、って言おうとしたけど。
それでしょうの方が遅かったら、なんか、いやだ。
気まずいし、それに……。
しょうの隣を歩いていた女の子を、思い出す。
「……なぁ、帰る?」
「え?いや、まだ大丈夫だよ」
「雨宮だろ、どうせ」
ぎくり。
目線を斜めに逸らした私に、相良はため息をついた。
「この機会だし、お互い離れたら?」
「はい?」
1個も理解できなかった。
「お前ら、多分コミュニティが狭かったからずっとくっついてたんだろ。高校入って、他地域からも大勢来てて…それで、初めての体育祭と文化祭。マジックでカレカノとかつくれるんじゃねーの」