幼なじみって、言わないで!
温もりが消え、触れていた部分がさっと冷えていく。
「…え、なんで」
「いや、ごめん。つい……」
しょうは顔を逸らして、ぼそぼそ答えた。
それが少し、寂しくて。
でも。
もっと寂しくなるな、これから。
相良の言葉と、放課後女の子と一緒にいたしょうの姿が脳をよぎる。
覚悟しなきゃいけないんだ。
もう、腹くくらなきゃ。
「どこ行ってたの?」
しょうは私の隣に立って、歩き出しながら言った。
そんな簡単な言葉さえ、処理するのに時間がかかって。
「…相良と、買い出し行ってたよ」
私にとっては重要ではない、その一言に、しょうは明らかに動揺した。
びた、と一瞬動きが止まり、顔が苦痛に歪む。
「……しょう?」