幼なじみって、言わないで!
「ゆう。あれ、あれほしい」
私が台を吟味していると、少し興奮気味にしょうが言った。
指差す先には、しょうの好きなアニメのぬいぐるみ。
「おっ、ハ●ターハ●ターだっけ?」
「うん。今ね、コラボやってるんだよ」
「ほーん。ま、任せなさいよ」
「!やった!」
嬉しそうなしょう。
かわいい。
ほんと、こんなに喜んだりするのは珍しいことなんです。
ちなみに私はUFOキャッチャーの鬼と呼ばれているので、大抵のものは1発で取ります。
プリ機の真横にあるその台まで行って、お金を投入。
ファンシーな効果音が流れ出し、私は集中してスティックを操作……。
「ねぇ〜、たっくん♡ちゅーぷりとろ♡」
「え〜?仕方ねぇな、1回だけだぞ♡」
「たっくん…♡」
「久美子…♡」
ぶっちゅ〜〜〜〜。
バカップルは、私としょうの真横でキスしだした。
「……え?」
ぼすっ。
穴じゃないとこで、ぬいぐるみが落ちる音がした。