幼なじみって、言わないで!
「っ」
角を曲って、息が止まった。
俯いてとぼとぼ歩いてる、ゆうだった。
「ゆうなっ!」
考える前に叫んでて、ゆうが俺に気づく前に、抱きしめてた。
死ぬほど、安心する。
「ばかっ!連絡、返せよ!」
「…ごめん」
「俺がっ、どれだけ、心配して…!」
じわ、と涙が滲んだ。
だめだ、ださすぎる。
涙をこらえ、ゆうを抱きしめる力を強めた。
ゆうが、腕の中にいる。
いつも俺をからかってばかりのゆうが、小さくすっぽりおさまっているのが、本当に愛おしくて。
「……ありがとう」
そう言って体を預けてくれるのが、天にも昇りそうなくらいに嬉しかった。