幼なじみって、言わないで!
少し、落ち着いてくる。
ゆうの、軽くて少し早い鼓動に、頭が整理されていって。
……あ、はずい。
え、俺、何、抱きしめて……。
「……、ごめん」
体を離した。
え、俺絶対汗臭いじゃん。
最悪、臭いって思われてたら、どうしよう。
抱きしめるの、強すぎたかな。
俺が好きってこと、ばれたかな……。
「…え、なんで」
「いや、ごめん。つい……」
顔を見れないので、逸らした。
ゆうは何も言わなくて、それでも、会えてよかった。
家に向かって、歩き出す。
ゆうはそれに着いてきた。
「どこ行ってたの?」
素朴な疑問だった。
軽々しく聞いたのを、すぐに、激しく後悔する。