幼なじみって、言わないで!



相良は本気でゆうを狙ってる。
ゆうは可愛いしいい子だから、すこぶるモテてきたけど、大抵は俺の存在を気にしてその想いを秘めるばかりだった。


でも高校からは、訳が違う。
小、中の狭いコミュニティではゆうの番犬的立場にいれた俺でも、他地域へ広まった今、ゆうを狙ってる輩は大勢いる。


俺じゃ食い止めれない。
それに、相良は。


……相良は、俺なんかよりよっぽど、すごくて…。


「だろ?雨宮。あんたなら、分かるよな」


あぁ、分かるとも。
分かってるよ。


そうか。
ゆうはきっと、恋愛したいんだ。


彼氏欲しいって言ってるのは、あんまり聞いたことないけど。
そりゃ、興味出るよな。


彼氏つくれるかもって思って、俺から離れようとしてるんだ。
そういうことか。


俺は、ゆうの幸せには邪魔なんだ。


「……そんな、死にそうな顔しなくたっていいだろ」


キスもできない。
ゆうの家に入り浸るのも、お世話をするのも。


全部全部、俺じゃない。

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