【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「つまり、そのあと彼女がどうなったのかは、分からない。
……ふたたび、人格がバラバラになったのかもしれないし、あるいは、六番目のサリーが生まれたのかも知れないんだ」
───不安定な治療だと、先の読めない治療なのだと、大地が言っていることに気づく。
「じゃあ……このままでいるほうが、いいっていうの?」
「さぁね」
投げやりに言って、大地は私に背を向けた。
「おれが決めることじゃない。結論をだすのは、あんただよ、舞さん。
……きっと『こいつ』も、そう言うはずだ」
「大地……」
「───ただ」
とまどって大地の背中を見つめていると、何かを思うように、大地が私を振り返ってきた。
「……いや、なんでもない。もう寝るから、話かけるなよ?」
こちらを見たのは一瞬で、今度は二度と私を見ずに、大地は眠りについてしまった。
*****
夢うつつのなか、大地の唇が私の耳たぶに触れて、何か言っていた。
「……える、から……大丈夫だよ。ずっと困らせて、ごめん」
くすぐったい息遣いに、目を覚ましたいのに、まぶたが重くて……目が開けられなかった。
「……大地……なに言って……。いまは眠い、から……起きたら……」
話を聞いてあげるから、そんな悲しい声ださないのよ。
と言うつもりが、言葉にならなくて。
私はまた、深い眠りの底に落ちていった……。
……ふたたび、人格がバラバラになったのかもしれないし、あるいは、六番目のサリーが生まれたのかも知れないんだ」
───不安定な治療だと、先の読めない治療なのだと、大地が言っていることに気づく。
「じゃあ……このままでいるほうが、いいっていうの?」
「さぁね」
投げやりに言って、大地は私に背を向けた。
「おれが決めることじゃない。結論をだすのは、あんただよ、舞さん。
……きっと『こいつ』も、そう言うはずだ」
「大地……」
「───ただ」
とまどって大地の背中を見つめていると、何かを思うように、大地が私を振り返ってきた。
「……いや、なんでもない。もう寝るから、話かけるなよ?」
こちらを見たのは一瞬で、今度は二度と私を見ずに、大地は眠りについてしまった。
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夢うつつのなか、大地の唇が私の耳たぶに触れて、何か言っていた。
「……える、から……大丈夫だよ。ずっと困らせて、ごめん」
くすぐったい息遣いに、目を覚ましたいのに、まぶたが重くて……目が開けられなかった。
「……大地……なに言って……。いまは眠い、から……起きたら……」
話を聞いてあげるから、そんな悲しい声ださないのよ。
と言うつもりが、言葉にならなくて。
私はまた、深い眠りの底に落ちていった……。