【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
2.覚悟しなさいよ?
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昨日の夜のニュースでは桜の開花宣言が、ようやくこの地方にもだされていた。
例年よりも遅い春の訪れは、見上げる視線の先のほころびからも窺える。
水色をした優しい色合いの空をぼーっと見ていた私の目に、突然、にこにこ顔の大地が映った。
次いで、コンコンとフロントガラスを叩かれ、あわてて車から降りる。
「……終わった……の……?」
「うん。待たせてゴメンね」
やわらかな口調は《私のよく知る大地》のものだった。
───診察室まで付き添おうかと言った私を、やんわりと拒んだ大地のもの、だった。
「その……気分は……どう……?」
自分でもヤになるくらい、もどかしいほど言葉がでてこなかった。
そんな私をよそに、大地は何事もなかったかのように───実際には融合の治療を受けてきたはずだ───ふふっと笑ってみせた。
「やだなぁ、まいさん。その、こわごわとした言い方。僕のことを信じてるって言ったのは、嘘だったの?」
「だっ……だって、あんたあんまりにも前の大地のまんまっていうか……変化が見られないっていうか……。
はっ。
まさかあんた、治療受けるのやっぱや~めた、とか思って、私が付き添わなかったのをいいことに、適当にお茶濁してきたんじゃ……」
「……まいさんのなかの僕って、そんなに信用ないの?」
げんなりとした顔をして見せる大地に、私は混乱してしまい、思わず指を突きつけた。