【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
つないだ指先に軽く力をこめて確認するように横から大地の表情を窺う。
大地は、達観したような、あきらめに似た微笑みを浮かべていた。
「そっか。
じゃあ……僕の心のなかに起きた、少しの変化を、話しても……いい?」
言葉を選ぶというより、話すことをためらうような口振りだった。
大地がこんな風になるのは、決まって自分の母親について話す時だということを、私はもう、知っていた。
「いいわよ。遠慮しないで話しなさいよ。ちゃんと……聞いてあげるから」
視線を前に戻して私が答えると一拍おいて、大地が思いきったように言った。
「僕は……『女』っていう生き物を、嫌悪しているんだと思う」
───思いもかけない言葉だった。
嫌な感覚が背後を襲って、居心地の悪さに、思わず口をはさむ。
「私も、一応、女なんだけど?」
語尾がきつくなった自分を、少し恥じる。
以前と同じ、問い質す言い方をしてしまったのを、思いだしたからだ。
大地は困ったように、笑って私を見た。大地の親指が、私の親指をゆっくりとなでる。
「ごめんね。こういう言い方は、まいさん、嬉しくないかもしれないけど……。
まいさんは、僕にとって『女』っていうカテゴリーに入ってない人なんだよ。
もちろん、まいさんが『女性』なのは、百も承知だけど……僕のなかで、『まいさん』は『まいさん』でしかないんだ。
大地は、達観したような、あきらめに似た微笑みを浮かべていた。
「そっか。
じゃあ……僕の心のなかに起きた、少しの変化を、話しても……いい?」
言葉を選ぶというより、話すことをためらうような口振りだった。
大地がこんな風になるのは、決まって自分の母親について話す時だということを、私はもう、知っていた。
「いいわよ。遠慮しないで話しなさいよ。ちゃんと……聞いてあげるから」
視線を前に戻して私が答えると一拍おいて、大地が思いきったように言った。
「僕は……『女』っていう生き物を、嫌悪しているんだと思う」
───思いもかけない言葉だった。
嫌な感覚が背後を襲って、居心地の悪さに、思わず口をはさむ。
「私も、一応、女なんだけど?」
語尾がきつくなった自分を、少し恥じる。
以前と同じ、問い質す言い方をしてしまったのを、思いだしたからだ。
大地は困ったように、笑って私を見た。大地の親指が、私の親指をゆっくりとなでる。
「ごめんね。こういう言い方は、まいさん、嬉しくないかもしれないけど……。
まいさんは、僕にとって『女』っていうカテゴリーに入ってない人なんだよ。
もちろん、まいさんが『女性』なのは、百も承知だけど……僕のなかで、『まいさん』は『まいさん』でしかないんだ。