【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「馬鹿ッ! なに考えてるのよ、あんたはッ!」

あっさりと大地に認められ、思わず怒鳴った。

「えっ、何? なんで怒ってるの、まいさん……」

本気で訳が解らないといった表情で、大地が私を見返してきた。
そんな大地を思いきりにらみ上げる。

「なんでじゃないでしょう? 打ち所が悪かったら、あんた、死んでたかもしれないじゃない!
こんな……こんな指輪ひとつの、ために……!」
「だけど、まいさん……」
「解ってるわよ、あんたの気持ちは!
……この指輪を見れば……どれだけ私を想ってくれてるのか。
すごく……すごく、私好みだもの! 嬉しくないはず、ない」

せっかくの贈り物を素直に喜べないどころか、説教までしてしまう自分が、本気で憎ったらしい。
だけど私は、言わずにはいられなかった。
指輪のはめられた指でもって、大地の身体にしがみつく。

「だけど……この指輪と引き換えにあんたを失ってしまったら、どうしようもないじゃない!
私が欲しいのは、指輪じゃないのよ! あんた自身なの!
あんたと過ごす時間や、あんたと二人でつくる未来なのよ!」

言いきった直後、不覚にも涙がこぼれた。
口にしたとたん、現実味を増した事実に気づいたら……怖くて怖くて仕方なかった。
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