【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「ごめんね、まいさん」

大地の指が、私の濡れた頬をぬぐった。
優しい声音にこめられた想いが、指先から伝わって、よけいにせつなくなる。

「まいさんが、『カタチ』より『キモチ』にこだわる人だって、解ってたはずなのに……」
「…………指輪は、嬉しいの。本当よ?」
「うん。それも、解ってる」
「……でも、私は……あんたがずっと、ずっと側にいてくれることのほうが……もっと、何倍も嬉しいの」
「うん。ずっと側にいるよ。……まいさんが、嫌だって言ってもね」

くすっと笑ってつけ加える大地を、上目遣いに見る。唇をとがらせた。

「私の愛は……実は、あんたが考えているよりも、ずっと重いんだからね? 覚悟しなさいよ?」

私の言葉に、大地が噴きだした。
参ったといわんばかりに天を仰いで、それから私を自分のほうへと抱き寄せた。

「……まいさんの愛を僕が重く感じるなんて、あり得ないけど……。
僕が考えていた以上に、まいさんが僕を大切に想ってくれていたのは、今回のことで充分解ったよ。
……どんな僕でも、受け入れてくれるってこともね」

まわされた大地の腕に力がこめられる。
耳元で、秘めごとのように告げられた。
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