【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
3.秘めごとを越えた二人
*****
「───乾杯ッ!」
もう十数回には及ぶと思われる、グラスがかち合う音が響いた。
いいかげんウンザリしながら、空になったつまみの皿を下げる。
主役であるはずの大地は、ひとり落ち着いた様子でウーロン茶を飲んでいた。
ことあるごとに乾杯を繰り返す、酔っ払い二人をニコニコと見つめて。
「舞美、トオルくんのグラスが空になったぞ」
父さんの言葉に、意外にも酒に呑まれてるっぽいトオルくんのグラスに、ためらいながらビールを注いだ。
「あー、オネーサン、悪いっすねぇ……。
おら、大地。お前が気ぃ利かねーから、逆にオトーサンが、気ぃ遣ってくれてるじゃねぇかっ」
「…………透さん。そろそろタクシー呼ぼうか?」
「あー? ウタゲはまだ始まったばっかだろー?
お前が小学校の時に、どんだけ近所のアホガキ供にいじめられてたかとかよぉ……。オトーサンだって、知っておきたいだろーがっ」
「それは、是非とも聞いておかなければならないね。トオルくん、話してくれたまえ」
口調は真面目くさってるのに、目は焦点が合っていない。
こっちも酒に呑まれてる感満載の父さんを、溜息まじりにたしなめた。
「……父さん。トオルくんだって、明日仕事があるんだから、あんまり引き留めちゃ悪いと思うわよ?」
「───大丈夫っすよ、オネーサン。二日酔いで仕事なんて、よくあることですから~……ック」
「───乾杯ッ!」
もう十数回には及ぶと思われる、グラスがかち合う音が響いた。
いいかげんウンザリしながら、空になったつまみの皿を下げる。
主役であるはずの大地は、ひとり落ち着いた様子でウーロン茶を飲んでいた。
ことあるごとに乾杯を繰り返す、酔っ払い二人をニコニコと見つめて。
「舞美、トオルくんのグラスが空になったぞ」
父さんの言葉に、意外にも酒に呑まれてるっぽいトオルくんのグラスに、ためらいながらビールを注いだ。
「あー、オネーサン、悪いっすねぇ……。
おら、大地。お前が気ぃ利かねーから、逆にオトーサンが、気ぃ遣ってくれてるじゃねぇかっ」
「…………透さん。そろそろタクシー呼ぼうか?」
「あー? ウタゲはまだ始まったばっかだろー?
お前が小学校の時に、どんだけ近所のアホガキ供にいじめられてたかとかよぉ……。オトーサンだって、知っておきたいだろーがっ」
「それは、是非とも聞いておかなければならないね。トオルくん、話してくれたまえ」
口調は真面目くさってるのに、目は焦点が合っていない。
こっちも酒に呑まれてる感満載の父さんを、溜息まじりにたしなめた。
「……父さん。トオルくんだって、明日仕事があるんだから、あんまり引き留めちゃ悪いと思うわよ?」
「───大丈夫っすよ、オネーサン。二日酔いで仕事なんて、よくあることですから~……ック」