【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「下品とか、んなコト気にしてっから、もうじき同居して一年近くも経つってのに、オネーサンとデキ婚もできねぇんだろーがっ。
……ん? まだ十七だから、どっちにしろ結婚は無理なのか??
いやいや、とりあえず既成事実だよな? オネーサンの歳考えたら、早いに越したことねぇし。
……つか、ヤルことヤッてんのになんでだ? 若いのにジジ臭い分別もってるせいで、お前の精───」

大地の片手が、勢いよくトオルくんの口を覆った。

「本当に、シャレにならないから。これ以上まいさん達が引くようなこと言ったら、僕、本気で透さんとの付き合い考え直すからね?」

大地ににらみつけられた、トオルくんの目がおよぐ。
にらまれた事実より、大地の言葉に含まれた本気度によってか、文字通りトオルくんの口がふさがれた。
大地もそれを感じとったらしく、おもむろに手を離す。

ばつ悪そうに頭をかきながら、トオルくんが言った。

「───オレ、帰るわ。佐木さん、いろいろご馳走さまでした。
あ、バイクはあとで取りに来るんで、今日のとこはアイツだけ泊めといてやってください」

一気に酔いがさめたように、トオルくんは私と父さんを代わる代わる見て、それから頭を下げた。


*****


タクシーをと言った私に対し、やんわりと断りを入れ帰ろうとするトオルくんを、大地は引き留めなかった。
そんな大地にデコピンをかまして、トオルくんのあとを追う。
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