【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「なんつーか……あいつってさぁ、一度ココロ許した相手に対して、とことん尽くすって感じで。そゆとこ、危なっかしいって思って気にかけてきたんだけど。
……ま、オレが言えた義理じゃねぇんだけど」
上着のポケットに突っこんだ両手を出して、トオルくんがいきなり深深と頭を下げた。
「あいつのこと、頼むよ。佐木さんなら、あいつを幸せにできるはずだから」
「ちょっ、ちょっと! トオルくんっ、頭上げて? そんな、今生の別れみたいな言い方しないで───え。もしかして、どこか遠いとこ行っちゃったりするの!? だったら、大地にもちゃんと言って……───」
「いや、行ったりしないから。……しいて言うなら、気持ちの上でってゆーかさ」
家に戻りかけた私の手首を、あわてたようにトオルくんが引き寄せた。
ふたたび、その顔に苦笑いが浮かんだ。
「ま、あいつも佐木さんっていうイイ人に出逢えて、これから幸せまっしぐらなわけだし? そろそろオレは、お役ご免ってゆーか?
オレも、人のコトより自分のコト心配したほうがいいってゆーかさ……ま、そんな感じ?」
要領を得ないトオルくんに、私が口を開きかけた時、マンション前のロータリーに、一台の軽自動車が入って来た。
「……どんだけ暇なんだよ、おい。行くか馬鹿とか言っといて、タクシーより早いっつの」
……ま、オレが言えた義理じゃねぇんだけど」
上着のポケットに突っこんだ両手を出して、トオルくんがいきなり深深と頭を下げた。
「あいつのこと、頼むよ。佐木さんなら、あいつを幸せにできるはずだから」
「ちょっ、ちょっと! トオルくんっ、頭上げて? そんな、今生の別れみたいな言い方しないで───え。もしかして、どこか遠いとこ行っちゃったりするの!? だったら、大地にもちゃんと言って……───」
「いや、行ったりしないから。……しいて言うなら、気持ちの上でってゆーかさ」
家に戻りかけた私の手首を、あわてたようにトオルくんが引き寄せた。
ふたたび、その顔に苦笑いが浮かんだ。
「ま、あいつも佐木さんっていうイイ人に出逢えて、これから幸せまっしぐらなわけだし? そろそろオレは、お役ご免ってゆーか?
オレも、人のコトより自分のコト心配したほうがいいってゆーかさ……ま、そんな感じ?」
要領を得ないトオルくんに、私が口を開きかけた時、マンション前のロータリーに、一台の軽自動車が入って来た。
「……どんだけ暇なんだよ、おい。行くか馬鹿とか言っといて、タクシーより早いっつの」