【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「……ありがとね、大地」
それを見送ったあと、小声で僕を見上げるまいさんは、超絶可愛い。
そうは思いながらも、僕は、少し意地悪な気持ちになる。
「そう? 僕が来なければ、今度の日曜お茶しませんか、とかいう流れになってたんじゃない?」
「───……で? 宗教の勧誘されちゃうっての?
まさかでしょ。私がそんな世間知らずに見えるわけ?」
……なんだこの間違ったナンパ解釈は。鈍いというより、ひねくれてないか?
僕はあきれて溜息をついた。
「まいさん、自分のこと、なんだと思っているの?」
「はぁ!?」
ムッと顔をしかめたまいさんだったけど、すぐに僕の背後にお客さんを見つけたらしく、優しい笑顔を取り戻す。
「ありがとうございます。またお越しくださいませ。
───いらっしゃいませ!」
それは、仕事中のまいさんから僕へ向けられた、とっとと立ち去れという意味の言葉だった。
****
読んでいた文庫本から顔を上げ、壁時計の短針を見やって息をつく。
遅いなぁ……。
11時には終わるって、言ってたはずなのに。
約10分後には日付が変わるこの時間になっても、まいさんからの『今から帰るメール』はやって来ない。
と、その時、傍らのスマホに多香子さんからメッセージが入った。
『大地くーん。舞さん、泥酔。
迎えに来てあげたほうが、いいかも』
あわてて僕は、メッセージを返す。
『神紋ですよね?
すぐにタクシー呼んで向かいます』
それを見送ったあと、小声で僕を見上げるまいさんは、超絶可愛い。
そうは思いながらも、僕は、少し意地悪な気持ちになる。
「そう? 僕が来なければ、今度の日曜お茶しませんか、とかいう流れになってたんじゃない?」
「───……で? 宗教の勧誘されちゃうっての?
まさかでしょ。私がそんな世間知らずに見えるわけ?」
……なんだこの間違ったナンパ解釈は。鈍いというより、ひねくれてないか?
僕はあきれて溜息をついた。
「まいさん、自分のこと、なんだと思っているの?」
「はぁ!?」
ムッと顔をしかめたまいさんだったけど、すぐに僕の背後にお客さんを見つけたらしく、優しい笑顔を取り戻す。
「ありがとうございます。またお越しくださいませ。
───いらっしゃいませ!」
それは、仕事中のまいさんから僕へ向けられた、とっとと立ち去れという意味の言葉だった。
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読んでいた文庫本から顔を上げ、壁時計の短針を見やって息をつく。
遅いなぁ……。
11時には終わるって、言ってたはずなのに。
約10分後には日付が変わるこの時間になっても、まいさんからの『今から帰るメール』はやって来ない。
と、その時、傍らのスマホに多香子さんからメッセージが入った。
『大地くーん。舞さん、泥酔。
迎えに来てあげたほうが、いいかも』
あわてて僕は、メッセージを返す。
『神紋ですよね?
すぐにタクシー呼んで向かいます』