【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
男の言葉をさえぎって、僕はまいさんを抱きしめるようにして、男から奪い返す。
にらむように見据えた視線の先、男が低く笑った。
「……ちゃんと捕まえとけよ、少年。この人、隙だらけだからな」
僕の耳にだけ届くように、告げてくる。
親切ごかしの言葉に隠された意味に、カッと頭に血がのぼった。
「あんたにそんなこと、言われる筋合いはない!」
ぴしゃりとはねつけると、僕の腕のなかで、まいさんが驚いたように顔を上向かせた。
「大地……?」
邪気のない瞳が丸くなって、僕を見ていた。
いたたまれずに、まいさんから視線をそらす。
「まいさん、歩けるの」
「う、うん……」
酔いが一気にさめたというような、とまどった返事が返ってきた。
……まいさんに向けた僕の口調は、よほど突き放したものだったらしい。
気づかぬ素振りでまいさんの手を引き、タクシーが待つ場所まで歩いて行く。
タクシーに乗り込んだ僕たちは無言だった。
空気の読めないドライバーが、
「仲の良い姉弟だねぇ。酔ったお姉さんをわざわざ迎えに行ってあげるだなんてさぁ」
などと、余計なことを言ってきて僕の神経を逆撫でしてくれた。
……乗車料金、踏み倒してやろうか。
半ば本気でそんなことを思って車窓をながめていると、ひざ上に置いた片手に、まいさんの手が伸びてきた。
にらむように見据えた視線の先、男が低く笑った。
「……ちゃんと捕まえとけよ、少年。この人、隙だらけだからな」
僕の耳にだけ届くように、告げてくる。
親切ごかしの言葉に隠された意味に、カッと頭に血がのぼった。
「あんたにそんなこと、言われる筋合いはない!」
ぴしゃりとはねつけると、僕の腕のなかで、まいさんが驚いたように顔を上向かせた。
「大地……?」
邪気のない瞳が丸くなって、僕を見ていた。
いたたまれずに、まいさんから視線をそらす。
「まいさん、歩けるの」
「う、うん……」
酔いが一気にさめたというような、とまどった返事が返ってきた。
……まいさんに向けた僕の口調は、よほど突き放したものだったらしい。
気づかぬ素振りでまいさんの手を引き、タクシーが待つ場所まで歩いて行く。
タクシーに乗り込んだ僕たちは無言だった。
空気の読めないドライバーが、
「仲の良い姉弟だねぇ。酔ったお姉さんをわざわざ迎えに行ってあげるだなんてさぁ」
などと、余計なことを言ってきて僕の神経を逆撫でしてくれた。
……乗車料金、踏み倒してやろうか。
半ば本気でそんなことを思って車窓をながめていると、ひざ上に置いた片手に、まいさんの手が伸びてきた。