【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「ごめんね、大地」

罪悪感もあらわに、まいさんが口にした言葉は、謝罪以上の深い響きがあった。

うつむく僕の頬に、まいさんの小さな手が伸びてきて、触れた。
はねのけたい衝動をこらえて、まいさんを見つめ返す。

困ったように首を傾けて、僕を見るまいさんがいた。

「私、ちょっとだけ……あんたがヤキモチ妬いてくれるの、期待しちゃってたんだ」

え?

思いもかけない言葉に、驚く反面、不信感がつのる。
そんなつまらない『相手の愛情を確認するための行為』を、まいさんがしただなんて。

「僕が……まいさんのことをどんなにか好きで、大切に想ってるかなんて、まいさん、嫌ってほど知っているはずだよね?」

あきれた気分と軽い苛立(いらだ)ちに襲われる僕の前で、ふいにまいさんが真顔になる。

「知ってるわよ。あんた、いつも口に出してくれるし。
だけど……良い言葉しか、私にくれなかったじゃない」
「なに、それ……」

まいさんが言ってることが、本気で解らない。
あんなに言葉を尽くして、まいさんが好きだって伝えてきたのに。

「他に、どんな言葉が必要だって言うの? まいさんって、実は僕以上に愛の言葉に貪欲なんだ?」

皮肉が口をついた僕を、まいさんがじっと見つめる。
僕の頬に触れたまいさんの手指が、荒れた僕の心をなだめるようになでてくる。
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