【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
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少し遅い昼食をとるため、ショッピングセンター内にある休憩室に向かいながら、スマホの画面に目を落とした。

マナーモードにしてあるスマホは、店の中の貴重品入れである戸棚にしまっていた。
だから、仕事中に電話やメールが来ても、休憩の時以外は分からなかった。

通知を確認すると、めずらしく着信が何件か入っていた。

───全部、父さんからだった。

『……舞美。父さんだ。
あのな、大地くんが、学校で事故に遭ったらしくて───いや、仕事中のお前に言っても、心配させるだけだな……。
とにかく、これを聞いたら、連絡をくれ』

一度目は意味が解らず、私はもう一度メッセージを再生した。

聞き間違えかもしれないと思い、三度目を聞き……やっと、父さんに連絡をしなければと思い立つ。

けれども、父さんのスマホは留守番電話になっていて。
私は、たどり着いた休憩室の扉の前、スマホを手にしたまま、立ち尽くしてしまう。
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