【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
元の、大地に逢いたい。
逢って、抱きしめて、気づけずにいたことを謝って……それ以上に、心からの感謝を伝えたいと思った。
記憶をなくした大地との生活は、まだ、たったの三日しか経っていないのに。
私の心には、以前の大地を求め、言い様のない焦燥感が、募り始めていた。
*****
真夜中だった。
肩を揺さぶられ、重いまぶたをあげると、そこに大地がいた。
「───なに、どうしたの? 具合でも悪くなった?」
びっくりして起き上がると、大地は軽く首を横に振った。
「……ううん、そうじゃなくて。僕、お腹すいたんだけど、コレ、だし」
包帯の巻かれた右手を見せ、ちょっと笑う。
「だから、まいさんに食べさせて欲しいな、と思って」
「……大地……記憶が、戻ったの? いま、まいさん、って……」
「え? 記憶って?」
きょとんと私を見返す大地は、自分が記憶をなくしていたことが解らないようだった。
「……待ってて。すぐに用意してあげるから」
けれども、そんなことはもう、どうでもいいことだった。
大地に微笑んで、私はベッドから降りかけた。
ふいに、大地が自由になるほうの手で、私を抱き寄せた。
「ね、お腹が満たされたら……今度は、まいさんが食べたいな。駄目?」
ささやく声の甘さにあきれる一方で、私自身、大地に求められる嬉しさで、声がうわずってしまう。
「なに言ってんのよ、怪我人の分際で」
「えー? だって、使えないのは右手だけだよ? それに……」
言いながら大地は、私の首筋に軽くキスをすると、今度はゆっくりと舌を這わせた。
背中に伸びた左の手指が、じらすように優しくなで伝う。
逢って、抱きしめて、気づけずにいたことを謝って……それ以上に、心からの感謝を伝えたいと思った。
記憶をなくした大地との生活は、まだ、たったの三日しか経っていないのに。
私の心には、以前の大地を求め、言い様のない焦燥感が、募り始めていた。
*****
真夜中だった。
肩を揺さぶられ、重いまぶたをあげると、そこに大地がいた。
「───なに、どうしたの? 具合でも悪くなった?」
びっくりして起き上がると、大地は軽く首を横に振った。
「……ううん、そうじゃなくて。僕、お腹すいたんだけど、コレ、だし」
包帯の巻かれた右手を見せ、ちょっと笑う。
「だから、まいさんに食べさせて欲しいな、と思って」
「……大地……記憶が、戻ったの? いま、まいさん、って……」
「え? 記憶って?」
きょとんと私を見返す大地は、自分が記憶をなくしていたことが解らないようだった。
「……待ってて。すぐに用意してあげるから」
けれども、そんなことはもう、どうでもいいことだった。
大地に微笑んで、私はベッドから降りかけた。
ふいに、大地が自由になるほうの手で、私を抱き寄せた。
「ね、お腹が満たされたら……今度は、まいさんが食べたいな。駄目?」
ささやく声の甘さにあきれる一方で、私自身、大地に求められる嬉しさで、声がうわずってしまう。
「なに言ってんのよ、怪我人の分際で」
「えー? だって、使えないのは右手だけだよ? それに……」
言いながら大地は、私の首筋に軽くキスをすると、今度はゆっくりと舌を這わせた。
背中に伸びた左の手指が、じらすように優しくなで伝う。