【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「……ね? 全然、問題ないでしょ? 他の部分も、試してみる?」
押しつけられる大地の身体の熱さに、慣れた身体が反応するのが分かった。
あわてて、大地を押し返した。
「お腹空いてるんでしょ? ほら、行くわよ」
「はーい」
何事もなかったかのように、大地はドアの方へ歩きだす。私はそのあとに続いた。
瞬間、ガチャンという音が鳴り響いた。
「今の、なんの音?」
大地の背中に問いかけると、こちらを振り向きかけた大地が、ぼやけて見えた。
なんでだろうと、目をこすって……。
私は、目を覚ました。
*****
薄暗い部屋のなかに、もう大地はいなかった。
夢だったのだと実感したら、苦笑いが浮かんだ。
───大地が学校の階段から落ち、記憶をなくして、二週間が経とうとしていた。
時間の経過と共に記憶が戻るだろうとのことだったけど、一向に大地が記憶を取り戻す気配はなく……昨日から大地は、心療内科に通い始めていた。
もちろん、行ったその日に治るだなんて思ってなかったけど、治療を終えた大地に、
「どうだった?」
と、訊いてみても、
「……別に、特に変わりはありません」
なんて冷たく返されて、車で送迎してあげた身としては、ものっ……すごく、落ちこんだのは事実だ。
押しつけられる大地の身体の熱さに、慣れた身体が反応するのが分かった。
あわてて、大地を押し返した。
「お腹空いてるんでしょ? ほら、行くわよ」
「はーい」
何事もなかったかのように、大地はドアの方へ歩きだす。私はそのあとに続いた。
瞬間、ガチャンという音が鳴り響いた。
「今の、なんの音?」
大地の背中に問いかけると、こちらを振り向きかけた大地が、ぼやけて見えた。
なんでだろうと、目をこすって……。
私は、目を覚ました。
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薄暗い部屋のなかに、もう大地はいなかった。
夢だったのだと実感したら、苦笑いが浮かんだ。
───大地が学校の階段から落ち、記憶をなくして、二週間が経とうとしていた。
時間の経過と共に記憶が戻るだろうとのことだったけど、一向に大地が記憶を取り戻す気配はなく……昨日から大地は、心療内科に通い始めていた。
もちろん、行ったその日に治るだなんて思ってなかったけど、治療を終えた大地に、
「どうだった?」
と、訊いてみても、
「……別に、特に変わりはありません」
なんて冷たく返されて、車で送迎してあげた身としては、ものっ……すごく、落ちこんだのは事実だ。