【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
多香ちゃんは、ケーキ売り場で接客中だった。
正直これ以上、店先で長居をされるのは迷惑だ。
シューポンプを片付けながら、こっそり溜息をついた。
「───ごめんね、まいさん」
心底申し訳なさそうな謝罪の声が、一瞬、別の意味に聞こえ、ドキッとして大地を見返した。
「帰り、待ってるから。
……仕事中に邪魔して、ホントにごめん」
真っすぐに向けられた瞳が、後悔の色に、揺れる。
自分の存在が無視されていると感じたのか、大地のクラスメイトだという彼女が、不愉快そうに大地を見上げた。
「進藤くん。いいかげんに───」
「いいかげんにして欲しいのは、君の方だよ。
僕は君に、なんの興味もないんだ。だけど、君がそれで納得するって言うから、ここに連れてきた。
信じようが信じまいが勝手だけど、僕の心の大半を占めているのは、ここにいる、まいさんなんだ。
君が入り込む余地なんて、ない」
*****
平日の閉店作業は、ショッピングセンター内にお客様がいなくなったのをざっと見渡して、私一人で行っている。
製造専門の従業員は翌日の仕込みを終えるとほぼ18時にはあがるし、販売専門の従業員も閉店の一時間前には退勤させていた。
ここ数年の間に、富みに感じるようになった不況のため、オーナーから人件費を削るように言われているからだ。
正直これ以上、店先で長居をされるのは迷惑だ。
シューポンプを片付けながら、こっそり溜息をついた。
「───ごめんね、まいさん」
心底申し訳なさそうな謝罪の声が、一瞬、別の意味に聞こえ、ドキッとして大地を見返した。
「帰り、待ってるから。
……仕事中に邪魔して、ホントにごめん」
真っすぐに向けられた瞳が、後悔の色に、揺れる。
自分の存在が無視されていると感じたのか、大地のクラスメイトだという彼女が、不愉快そうに大地を見上げた。
「進藤くん。いいかげんに───」
「いいかげんにして欲しいのは、君の方だよ。
僕は君に、なんの興味もないんだ。だけど、君がそれで納得するって言うから、ここに連れてきた。
信じようが信じまいが勝手だけど、僕の心の大半を占めているのは、ここにいる、まいさんなんだ。
君が入り込む余地なんて、ない」
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平日の閉店作業は、ショッピングセンター内にお客様がいなくなったのをざっと見渡して、私一人で行っている。
製造専門の従業員は翌日の仕込みを終えるとほぼ18時にはあがるし、販売専門の従業員も閉店の一時間前には退勤させていた。
ここ数年の間に、富みに感じるようになった不況のため、オーナーから人件費を削るように言われているからだ。