【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
そんな私をにらみ据えたまま、大地は続けざま言葉で斬りつけてくる。
「口先でなら、なんとでも言えるっ。おれは、そんなものにはだまされない! 《こいつ》とは、違う!
自分の欲望を満たすために、おれを利用しようだなんて、思うなっ!」
言いきった大地が、興奮がおさまらないように、肩で息をする。
ふいに、こみあげたものを抑えるように口元を覆った。
その理由に気づいた瞬間には、もう、大地は嘔吐していた。胃液の匂いが車内に充満する。
「……大地、だいじょ───」
「気持ち、悪い……って……言って……。なんで……さわ、るんだ……」
窓を開けながら、大地の背中をさすってやる。
涙目でこちらをにらむ大地が、なおも私を拒んでいるのが解った。
好きな気持ちを否定されて……そんな大地を受けとめられない悔しさと悲しみを抱えたまま、私は言った。
「なんでとか……この期に及んで、訊いてくるんじゃないわよっ。
あんたさっき、自分で言ったじゃない。口先では、なんとでも言えるって。
言葉を信じられない人間に、伝えられることなんて、私にはないわ……!」
視界が揺らいで、泣きそうな自分に気づく。
こんなにも、伝えたい想いが伝わらないもどかしさがあるだなんて、初めて知った。
言葉を重ねても、身体を寄せても、いまの大地には何ひとつ解ってもらえない。
「口先でなら、なんとでも言えるっ。おれは、そんなものにはだまされない! 《こいつ》とは、違う!
自分の欲望を満たすために、おれを利用しようだなんて、思うなっ!」
言いきった大地が、興奮がおさまらないように、肩で息をする。
ふいに、こみあげたものを抑えるように口元を覆った。
その理由に気づいた瞬間には、もう、大地は嘔吐していた。胃液の匂いが車内に充満する。
「……大地、だいじょ───」
「気持ち、悪い……って……言って……。なんで……さわ、るんだ……」
窓を開けながら、大地の背中をさすってやる。
涙目でこちらをにらむ大地が、なおも私を拒んでいるのが解った。
好きな気持ちを否定されて……そんな大地を受けとめられない悔しさと悲しみを抱えたまま、私は言った。
「なんでとか……この期に及んで、訊いてくるんじゃないわよっ。
あんたさっき、自分で言ったじゃない。口先では、なんとでも言えるって。
言葉を信じられない人間に、伝えられることなんて、私にはないわ……!」
視界が揺らいで、泣きそうな自分に気づく。
こんなにも、伝えたい想いが伝わらないもどかしさがあるだなんて、初めて知った。
言葉を重ねても、身体を寄せても、いまの大地には何ひとつ解ってもらえない。