【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「あんたは……私の知っている、大地じゃないの……?」

思わず、か細い問いかけが口をついた。

トオルくんに諭されてから、あえて(ふた)をしてきた気持ち。もう自分をごまかせないと、思った。

「私は……あんたを好きでいちゃ……いけ、ないの……?」

何があっても変わらないと、思っていたわけじゃない。

大地が心変わりする日がくるかも知れないという不安は、大地を好きだと自覚してから、徐々に募ってきていたものだ。

───だけど。
こんな風に、大地から突き放される日がくるなんて。

「……あんたが……好きなのは……おれじゃない……」

かすれた声音で告げる《大地の顔》は、涙でにじんだ視界の向こうで、私の知らない《誰か》に見えて、仕方がなかった……。



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