【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「……これで、あんたから解放されるってわけだ」
せいせいすると言わんばかりだった。
けれども、大地の瞳に一瞬だけ横切った翳りに気づく。
以前、こんな眼をした時の大地が思いだされた。
───もう二度と、取り戻すことのできない過去を憂えるような、その横顔を。
*****
「悪ィな、佐木さん。……失敗した」
リビングから出て行った大地の背中を見送って、トオルくんが大きな溜息をつく。
「あいつの反応、超ビミョーだったよな~。
『大好きなまいさんが、他の男に奪われちゃうかもよ!? どうする大地!? 大・作・戦☆』も、ダメかぁ~」
「………謝るのは、それだけ?」
「それだけ……って? オレ、なんか他にもしくじった?」
きょとんとした顔を見れば『本当にそれ以外のこと』は、謝る気がないのは明らかだった。
私は肩に回されたトオルくんの手を、ぎゅっとつねってみせた。
「こ・れ! ナニこの手! いきなり抱き寄せられてビックリさせられた私に、謝罪の言葉はないの!?」
「……いってぇ……え? こんくらい、どうってコトないっしょ? 佐木さんが処女だったら、悪かったかなと思わなくもないけどさ。
つか、佐木さん、マジで堅いよね。ひょっとして、彼氏以外の男に、指一本もさわらせないタイプ?」
「………………悪い?」
せいせいすると言わんばかりだった。
けれども、大地の瞳に一瞬だけ横切った翳りに気づく。
以前、こんな眼をした時の大地が思いだされた。
───もう二度と、取り戻すことのできない過去を憂えるような、その横顔を。
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「悪ィな、佐木さん。……失敗した」
リビングから出て行った大地の背中を見送って、トオルくんが大きな溜息をつく。
「あいつの反応、超ビミョーだったよな~。
『大好きなまいさんが、他の男に奪われちゃうかもよ!? どうする大地!? 大・作・戦☆』も、ダメかぁ~」
「………謝るのは、それだけ?」
「それだけ……って? オレ、なんか他にもしくじった?」
きょとんとした顔を見れば『本当にそれ以外のこと』は、謝る気がないのは明らかだった。
私は肩に回されたトオルくんの手を、ぎゅっとつねってみせた。
「こ・れ! ナニこの手! いきなり抱き寄せられてビックリさせられた私に、謝罪の言葉はないの!?」
「……いってぇ……え? こんくらい、どうってコトないっしょ? 佐木さんが処女だったら、悪かったかなと思わなくもないけどさ。
つか、佐木さん、マジで堅いよね。ひょっとして、彼氏以外の男に、指一本もさわらせないタイプ?」
「………………悪い?」