【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「……ごめん。いまのは、思っていたことを正直に話したつもりだったけど……本心、というのとは、違うのかもしれない。
大地に他に好きな子ができたとして、私がすぐに大地を諦められるわけじゃない。
だけど───大地にとってその方が幸せなら、仕方がないっていう気持ちがあるのも、事実なの。
でも……本当は……大地には、私だけを見ていて欲しい。他の、誰よりも、私を選んで欲しいって、思っ……───」

自分でも、何を言っているのかが、解らなくなっていた。

けれども、大地に本心を問われて……「大地のための想い」ではなく、「大地を失いたくない想い」を伝えなければ後悔するだろうことに気づいた。

───まだ、失ってもいないうちに勝手に決めつけて、自分から恋を手放してしまうのは二度としてはいけない過ちだ。

───……数人の笑い声が聞こえてきたけど、大地は私の身体を解放しなかった。

「……これは、僕の気持ちを疑った『お仕置き』だからね……?」

抱きしめられた私の耳に、意地悪で甘いささやき声が落ちてきた。
大地が、私のハーフコートのフードに手を伸ばして、私に被せる。
フードで私の顔を覆うようにすると、その唇を私に寄せた。

「だっ……───!」

私が口を開くより先に、素早く唇が重ねられた。

強引に奪い去るわりに、いつもこちらの反応を窺うように優しくて……なのに、憎らしいほど感じてしまう、大地のキス。
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