【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
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「……そうですか。『彼』が表に……舞美さんの前に、姿を現したのですね」
翌翌日の仕事帰り。
休憩中に榊原医師にアポをとっていた私は、クリニックに立ち寄った。
クリニックから帰ったあとの大地の様子や変化を告げると、彼女はホッとしたように微笑んだ。
いぶかしく思う私を察したのか言葉を重ねる。
「前回の診療時、わずかな間でしたけど、一番目の大地くん……舞美さんを大切に思ってる『彼』と、話をする機会がありました。
けれども『彼』は、舞美さんに会わせる顔がないからと、表面に留まるのを拒んでしまって。
結局、三番目の……クリニックにやってきた大地くんに、意識を明け渡してしまったのですけど」
私に嫌われるのが怖かった、と告げた、大地の言葉が思い返された。
あいつめ、ストーカー並みにしつこいわりに、変なとこで臆病なんだから……!
「あなたが『彼』に会いたいと願う気持ちが、『彼』の意識を表へ引き寄せたのでしょうね。良い兆候だと思いますよ」
安心させるような微笑みに力を得て、私は、トオルくんがしてくれた提案を口にした。
どちらかを選ぶことなどできない。
二つの人格を一緒にさせる、という方法が可能なら、そうして欲しいと───。
「……そうですか。『彼』が表に……舞美さんの前に、姿を現したのですね」
翌翌日の仕事帰り。
休憩中に榊原医師にアポをとっていた私は、クリニックに立ち寄った。
クリニックから帰ったあとの大地の様子や変化を告げると、彼女はホッとしたように微笑んだ。
いぶかしく思う私を察したのか言葉を重ねる。
「前回の診療時、わずかな間でしたけど、一番目の大地くん……舞美さんを大切に思ってる『彼』と、話をする機会がありました。
けれども『彼』は、舞美さんに会わせる顔がないからと、表面に留まるのを拒んでしまって。
結局、三番目の……クリニックにやってきた大地くんに、意識を明け渡してしまったのですけど」
私に嫌われるのが怖かった、と告げた、大地の言葉が思い返された。
あいつめ、ストーカー並みにしつこいわりに、変なとこで臆病なんだから……!
「あなたが『彼』に会いたいと願う気持ちが、『彼』の意識を表へ引き寄せたのでしょうね。良い兆候だと思いますよ」
安心させるような微笑みに力を得て、私は、トオルくんがしてくれた提案を口にした。
どちらかを選ぶことなどできない。
二つの人格を一緒にさせる、という方法が可能なら、そうして欲しいと───。