【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
心の中にある複雑な感情を、第三者に伝えるなんて、滅多にないことだった。
たどたどしい表現で話す私を、榊原医師は真剣に何度もうなずきながら聞いてくれていた。
私が話し終えると、おもむろに口を開く。
「……結論から申し上げれば、可能です」
きっぱりとした物言いに、私の心は浮き立ったけど、肝心の榊原医師の表情は硬かった。
「複数の人格を一つに融合させる……解離性人格障害───俗にいう、多重人格者の治療として、もっとも理想的な方法だと、わたくしは考えております。
ただ、この方法をとるには、複数の人格の了承を得ないと───今回の場合、二人の大地くんが、共に人格の融合を望んでいることが条件となりますが」
いったん言葉を切って、榊原医師は苦笑いを浮かべた。
「一番目の大地くんは、三番目の大地くんを『赦せない』と言っていた。
三番目の大地くんは、一番目の大地くんがどうこうというより……人間そのものを毛嫌いしている。
そういった状況を考えると、この治療法をとるには、現実的に難しいと言わざるを得ませんね」
「───つまり、二人の大地の合意が、最低限必要だってことですね?」
「えぇ。
その上で……これは当人にも了承してもらいますが、人格の融合という治療法は、大地くんの場合、三つの結果をもたらす可能性があるということです。
第一に」
たどたどしい表現で話す私を、榊原医師は真剣に何度もうなずきながら聞いてくれていた。
私が話し終えると、おもむろに口を開く。
「……結論から申し上げれば、可能です」
きっぱりとした物言いに、私の心は浮き立ったけど、肝心の榊原医師の表情は硬かった。
「複数の人格を一つに融合させる……解離性人格障害───俗にいう、多重人格者の治療として、もっとも理想的な方法だと、わたくしは考えております。
ただ、この方法をとるには、複数の人格の了承を得ないと───今回の場合、二人の大地くんが、共に人格の融合を望んでいることが条件となりますが」
いったん言葉を切って、榊原医師は苦笑いを浮かべた。
「一番目の大地くんは、三番目の大地くんを『赦せない』と言っていた。
三番目の大地くんは、一番目の大地くんがどうこうというより……人間そのものを毛嫌いしている。
そういった状況を考えると、この治療法をとるには、現実的に難しいと言わざるを得ませんね」
「───つまり、二人の大地の合意が、最低限必要だってことですね?」
「えぇ。
その上で……これは当人にも了承してもらいますが、人格の融合という治療法は、大地くんの場合、三つの結果をもたらす可能性があるということです。
第一に」