【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
榊原医師は指を上げ、私の意思を確認するかのように、私の瞳をのぞきこんできた。
「一番目の大地くんの人格を主体として、三番目の大地くんの人格が溶けこむ可能性。
第二に、三番目の大地くんの人格を主体として、一番目の大地くんの人格が溶けこむ可能性。
最後に、一番目とも三番目とも違う……新たな大地くん───四番目の大地くんが、生まれる可能性……。
この三つのうち、どの大地くんになるかは、実際に治療を行ってみないことには解らないというのが正直な見解です」
私は榊原医師の言葉を心の内で反芻した。
……三つの可能性……。
どんな大地になるのか、想像もつかないって、ことなんだ───。
思わず、息をつめた。
また、大地を失うことになるのかもしれない。
ううん、それどころか、もう二度と私の好きな『大地』は、帰って来ないかもしれないんだ……。
「難しい、選択です」
私の胸中を代弁するかのように、榊原医師が言った。
「舞美さんが不安になるのも無理はありませんわ。慎重にならざるを得ないでしょう。
どうか、もう一度よく考えて、ご意見を聞かせてください」
*****
帰宅すると、父さんがカップ麺をすすっていた。
「……ごめん。遅くなって。ご飯、それだけじゃ足りないでしょう? 大地の分と合わせて作るから……」
「一番目の大地くんの人格を主体として、三番目の大地くんの人格が溶けこむ可能性。
第二に、三番目の大地くんの人格を主体として、一番目の大地くんの人格が溶けこむ可能性。
最後に、一番目とも三番目とも違う……新たな大地くん───四番目の大地くんが、生まれる可能性……。
この三つのうち、どの大地くんになるかは、実際に治療を行ってみないことには解らないというのが正直な見解です」
私は榊原医師の言葉を心の内で反芻した。
……三つの可能性……。
どんな大地になるのか、想像もつかないって、ことなんだ───。
思わず、息をつめた。
また、大地を失うことになるのかもしれない。
ううん、それどころか、もう二度と私の好きな『大地』は、帰って来ないかもしれないんだ……。
「難しい、選択です」
私の胸中を代弁するかのように、榊原医師が言った。
「舞美さんが不安になるのも無理はありませんわ。慎重にならざるを得ないでしょう。
どうか、もう一度よく考えて、ご意見を聞かせてください」
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帰宅すると、父さんがカップ麺をすすっていた。
「……ごめん。遅くなって。ご飯、それだけじゃ足りないでしょう? 大地の分と合わせて作るから……」