【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「いや、父さんにはこれで十分だ。大地くんを、気にかけてやってくれ。
その……一応、声はかけてみたんだが、反応がなくてな……」
手にした箸を置いて、情けない溜息をつく。
そんな父さんが本当に不憫になり、けれどもどうにもならない大地の現状を思い、愚痴をこぼしたくなった。
「父さんは、さ……いまの大地、どう思う?」
「どうって、何がだ?」
「なんていうか……以前の大地と違って、ムカつく~とか、早く元の大地に戻って欲しい、とか……」
大地が記憶を失ってから、あえて口にしなかったこと───いまの大地の振る舞いをどう思っているのか、訊いてみたくなった。
「……大地くんは、大地くんだろう? いまは記憶がないだけで。
一番もどかしい思いをしているのは、彼だからな。父さんの寂しさなんて、二の次だと思うが」
事もなげに言われ、なんだか拍子抜けしてしまう。
逆に、私のほうが、大地に対しての怒りを露わにした。
「そりゃ、私にはいいけど……。養ってもらってる分際で、父さんにする態度としては、ちょっと……あんまりだとは思わない?」
「思わないな」
暗に同意を求めた私に、父さんは、これまたきっぱりと否定する。
……なんだか、納得がいかなかった。
「だって、どう考えたって、親を親とも思わないバカにした態度でしょ、あれは」
いらだった私を見て、父さんは何かを思うように、テーブルの上で両手の指を組んだ。
その……一応、声はかけてみたんだが、反応がなくてな……」
手にした箸を置いて、情けない溜息をつく。
そんな父さんが本当に不憫になり、けれどもどうにもならない大地の現状を思い、愚痴をこぼしたくなった。
「父さんは、さ……いまの大地、どう思う?」
「どうって、何がだ?」
「なんていうか……以前の大地と違って、ムカつく~とか、早く元の大地に戻って欲しい、とか……」
大地が記憶を失ってから、あえて口にしなかったこと───いまの大地の振る舞いをどう思っているのか、訊いてみたくなった。
「……大地くんは、大地くんだろう? いまは記憶がないだけで。
一番もどかしい思いをしているのは、彼だからな。父さんの寂しさなんて、二の次だと思うが」
事もなげに言われ、なんだか拍子抜けしてしまう。
逆に、私のほうが、大地に対しての怒りを露わにした。
「そりゃ、私にはいいけど……。養ってもらってる分際で、父さんにする態度としては、ちょっと……あんまりだとは思わない?」
「思わないな」
暗に同意を求めた私に、父さんは、これまたきっぱりと否定する。
……なんだか、納得がいかなかった。
「だって、どう考えたって、親を親とも思わないバカにした態度でしょ、あれは」
いらだった私を見て、父さんは何かを思うように、テーブルの上で両手の指を組んだ。