【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
立ち上がって大地の胸を押しのけ、部屋へと入ろうとした。
が、当の大地はびくともせずに、意地悪く口元をゆがめ私を見返してきた。
「おれのほうは奇特なあんたと違って、不愉快な相手と話す気なんて、さらさらないんだけど?
解ったらあきらめて、こんな無駄なことしないでくれよ。
……いままでだって無視してきたんだから、これからもそうすればいいだろ。あんたの会いたい『大地』は、ここにはいないんだからさ」
言ってドアを閉めようとした大地に、しがみつくように身体を寄せる。
びくっと大地が身を引いたのを幸いに、隙をつき中へと入った。
後ろ手に扉を押しやり、大地を見上げる。
「自分を拒絶する相手と、誰が好き好んで相対すると思っているの? あんたがどう言おうと……私が《いまの》あんたをどう思っていようと……やっぱりあんたは、『大地』でしかないのよ。
だから───」
言いかけて、言葉をのみこむ。
大地の冷たい眼差しが、自分が言おうとしていたことを、凍らせていくようだった。
こんな大地は知らない、好きになれない───。
そう言って拒んでいては、何ひとつ、いまの大地を解ってあげることはできないんだ。
父さんとのやりとりで気づかされたこと。
私は、この大地に……自分を拒絶する大地に対し、拒絶でもって応えていたのだ。
が、当の大地はびくともせずに、意地悪く口元をゆがめ私を見返してきた。
「おれのほうは奇特なあんたと違って、不愉快な相手と話す気なんて、さらさらないんだけど?
解ったらあきらめて、こんな無駄なことしないでくれよ。
……いままでだって無視してきたんだから、これからもそうすればいいだろ。あんたの会いたい『大地』は、ここにはいないんだからさ」
言ってドアを閉めようとした大地に、しがみつくように身体を寄せる。
びくっと大地が身を引いたのを幸いに、隙をつき中へと入った。
後ろ手に扉を押しやり、大地を見上げる。
「自分を拒絶する相手と、誰が好き好んで相対すると思っているの? あんたがどう言おうと……私が《いまの》あんたをどう思っていようと……やっぱりあんたは、『大地』でしかないのよ。
だから───」
言いかけて、言葉をのみこむ。
大地の冷たい眼差しが、自分が言おうとしていたことを、凍らせていくようだった。
こんな大地は知らない、好きになれない───。
そう言って拒んでいては、何ひとつ、いまの大地を解ってあげることはできないんだ。
父さんとのやりとりで気づかされたこと。
私は、この大地に……自分を拒絶する大地に対し、拒絶でもって応えていたのだ。