【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!

2.大地と、どういう関係?

*****


後ろから、ぐいと二の腕を引かれた瞬間は、てっきり大地かと思ったのに。

「……あんた、『まいさん』だよな?」

アミューズメント施設の通路途中。
ざわついた音に負けることのない、よく通る響きの良い声で、その男は言った。

「ふうん……」

かけていたサングラスを半ば外して、値踏みするように、私の上から下、下から上を眺めまわす。
やや吊り上がりぎみの目元が、意味ありげに片目だけ細められた。

「あの……?」

私は眉を寄せた。
こんな柄の悪い知り合いはいないし、絡まれる覚えもない。

「手、離してもらえます? 急いでいるので」

とがった口調で言いきって、つかまれた腕を振り払った。

すると、恐らく二十歳前後かと思われる男は、いきなり噴きだした。
肩を揺らして、皮ジャンの内ポケットにサングラスをしまいこむ。

「……弟とヤッちゃうような節操無しのわりに、意外と頭カタかったりする?」

耳打ちされた言葉に、ぎょっとして男を見返した。

───ちょっとコイツ、何言ってるの……!

そんな私の前で、今度こそ男は声をあげて笑いだした。
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