【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
あんたは……私を傷つけて、そうして自分の抱えてる痛みを、なかったことにできるの?
……自分と同じ人間を増やして、癒やされたりなんか……できるって、いうの……?」
大地は鼻で笑った。
「そんなこと、だって? あんたは自分がそういう目にあったことがないから、そんな風に言えるんだ!」
苛立ちを露わに、大地の片手が、私のニットの胸元を握りこむ。
私はうなずいてみせた。
「そうよ。私は、あんたじゃない。
だから、例え同じ経験をしても、あんたとは違う捉え方をするかもしれない。それは、否定できない」
「……っんだよ、意味わかんねぇ……。解るって言ったり、違うって言ったり……」
怒りよりも、困惑の色が強くなった大地の表情を見てとり、私は胸元にある大地の手に、そっと自らの手を重ねた。
「わからない、じゃなくて、考えるの。
ちゃんと考えて……それでもあんたが、私を虐げたいって言うなら、私はもう、あんたを止めない。好きにしなさいよ」
ゆっくりと大地から手を放す。ひとつ息をついて、目を閉じた。
「……あんたが……大地が、本当に望むなら、私は別に、何されたっていいわよ。
あんたは今まで、いろんなことを我慢してきたんだから。もう、我慢しなくて、いいから……」
いつも人の気持ちを優先して。自分の気持ちを殺してきた、大地になら───。
……自分と同じ人間を増やして、癒やされたりなんか……できるって、いうの……?」
大地は鼻で笑った。
「そんなこと、だって? あんたは自分がそういう目にあったことがないから、そんな風に言えるんだ!」
苛立ちを露わに、大地の片手が、私のニットの胸元を握りこむ。
私はうなずいてみせた。
「そうよ。私は、あんたじゃない。
だから、例え同じ経験をしても、あんたとは違う捉え方をするかもしれない。それは、否定できない」
「……っんだよ、意味わかんねぇ……。解るって言ったり、違うって言ったり……」
怒りよりも、困惑の色が強くなった大地の表情を見てとり、私は胸元にある大地の手に、そっと自らの手を重ねた。
「わからない、じゃなくて、考えるの。
ちゃんと考えて……それでもあんたが、私を虐げたいって言うなら、私はもう、あんたを止めない。好きにしなさいよ」
ゆっくりと大地から手を放す。ひとつ息をついて、目を閉じた。
「……あんたが……大地が、本当に望むなら、私は別に、何されたっていいわよ。
あんたは今まで、いろんなことを我慢してきたんだから。もう、我慢しなくて、いいから……」
いつも人の気持ちを優先して。自分の気持ちを殺してきた、大地になら───。