【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「……なんで、そんなとこにつっ立ってるんだよ? 早く来いよ、こっち」

誘う目つきがいやらしくて、なんだか、怖かった。
けれども、()じけづいた自分を見透かされるのが悔しくて……平気な振りをして、大地の側に寄った。
瞬間、抱きすくめられて、自分の身体が強張(こわば)っているのを実感する。

「そんなにおびえられたら、キスもできないよ。……舞さん?」

ささやきは、あきらかにからかう口調だった。
なのに、いままでと違う響きに聞こえるのは、私の名前を何かを思うように告げるから、かもしれない。

キスもできないと言った舌の根も渇かぬうちに、うなじを伝う唇と、布ごしに背中を撫でていく指先。
……その、動き。

ベッドに押し倒されながら、あえぐように名前を呼ぶ───確信をもって。

「……大地……」

呼びかけて、自分からも近づく。
後ろ髪に触れて、大地の匂いを呼吸する。

……同じ、匂い。

当たり前のことなのに、その事実に安心して、ようやく身体の緊張もとけていった。
それが伝わったのか、大地はよりいっそう大胆に、私の弱いところを、指で唇で舌でもって攻め始めた。

「……っ……」

時々、痛いくらいに強く愛撫されて、涙がにじむと、大地はごめんと短く言って、目元に唇を寄せてきた。
……そこに浮かぶ愉悦に気づき、たまらなくなって大地の背中に爪を立てる。

───こいつ、絶対わざとだ。

「……何? もっと、激しくされたいの?」
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