【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
溜息と共に、答える。

「…………あんただよ、舞さん。おれが、ホントは触れちゃいけない……『こいつ』の、宝物」

言って、大地は胸を押さえた。

「何もかもあきらめて……自我さえもごまかして……。だけど『こいつ』の心のなかで、最後まで大事に……大事にされてきた、あんたへの『想い』。おれには、どうしても奪えないもの」

うつむいて、つぶやく。

「……奪っちゃ、いけない、もの……」
「───大地……あんたは、やっぱり、大地、なのね」

自由になった両手で、大地の両頬を押さえる。
思わず、笑みが浮かんだ。

「そんな風に、アホみたいに理屈っぽくて、語り始めたら止まらないとこ。
……ホント、ヤになるくらい、『大地』だわ」
「アホって……」

言いかけた大地の唇を奪って、強引に舌を求めて、逃げられないように大地の頭を抱えこんだ。

息もつかせぬほどに夢中になってキスをして、大地が応えてくれ始めると、意識が飛びそうなった。
その刹那、大地の手が私を無理やり押しやって、私の脳裏に拒絶されたキスが浮かんだ。

冷や水をかけられた思いの私の目に、大地の顔が苦しげにゆがんで、入る。

「……悪いけど、もう……上より下で、繋がりたい。
……深いとこまで、いい……?」

荒い息遣いが、長いキスのせいだけではないことが瞬時に分かって。
私はホッとしながら身体を開き、大地を受け入れた。
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