眠れる海の人魚姫〜政略結婚のはずが、御曹司の一途な執着愛に絡め取られました〜
まだ好きでいてもいいですか?
連れて行かれたのは水族館にほど近いラグジュアリーホテルだった。見覚えがある。西城ホテルの系列だ。従業員にまで美雨の顔は知られていないだろうものの、エントランスを通るときには胃が縮み上がった。
嶺人はロビーのソファに美雨を座らせ、フロントへ向かうとすぐにカードキーを手に戻ってきた。
「ロイヤルスイートを一室押さえた。今晩はここに泊まる」
そう言うと、美雨の返事も待たずにエレベーターで最上階まで上がる。
スイートフロアは臙脂色のふかふかの絨毯が敷かれており、重厚なドアが点々と佇む。そのうちの一つに嶺人がまっすぐ向かい、無言でドアを開けて目線だけで美雨に入るよう促した。
「え、えっと、失礼いたします……」
入室してすぐ、西城ホテルの誇るスイートルームの全容が飛び込んでくる。広々としたリビング、大きな窓の向こうにきらめく夜景、その奥にあるベッドルーム――。
「きゃっ⁉」
嶺人はロビーのソファに美雨を座らせ、フロントへ向かうとすぐにカードキーを手に戻ってきた。
「ロイヤルスイートを一室押さえた。今晩はここに泊まる」
そう言うと、美雨の返事も待たずにエレベーターで最上階まで上がる。
スイートフロアは臙脂色のふかふかの絨毯が敷かれており、重厚なドアが点々と佇む。そのうちの一つに嶺人がまっすぐ向かい、無言でドアを開けて目線だけで美雨に入るよう促した。
「え、えっと、失礼いたします……」
入室してすぐ、西城ホテルの誇るスイートルームの全容が飛び込んでくる。広々としたリビング、大きな窓の向こうにきらめく夜景、その奥にあるベッドルーム――。
「きゃっ⁉」