【完結】君じゃ勃たないと振られたら、俺なら勃つと突然に。

 お正月。
 雪の降る、寒い朝だ。
 息が白くなる。
 背の高い青年が、一人紙袋を持ってアパートのチャイムを押した。
 しかし返事がない。
 
「黃美子ねーちゃん、着いたぞ」

 女性が一人暮らしするには、セキュリティが不安なアパート。
 もう一度チャイムを押して外から声をかける。

「開いてるよ~」

「おい……危ないな」

 呆れて部屋のドアを開けると、玄関の薄いのれんからコタツに入っている女性が見えた。

「わーい、あけおめ~蒼紫(あおし)~」

「鍵をかけろよ。あけましておめでと! ほら、おせち」

「わーい、嬉しい!」
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