伝えられない思い、伝えたい気持ち。
 「君が大澤さん?」
 「…はい。」
 「今日から2週間よろしくね」
 教卓では全く見せなかった笑顔で梶先生が言ったので、「こ…こちらこそよろしくお願いします。」と、私も愛想笑いしつつ答えた。

 梶先生に自分から関わりたくないと思っていたあの日の私にとって、最悪の出来事だった…。


 高2の6月…一瞬にして空模様と同じく私の心も灰色になったあの日、私はあなたと出会った。
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